春一番の意味と時期、そして意外な雑学。

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春一番とはピューッという強い南風と共に暖かい空気を日本列島へと運んでくる風のこと。

ニュースなどでも「今日、春一番が吹きました」などと紹介されることもある。

ちなみに定義としては「立春(2月4日ごろ)~春分の日(3月20日ごろ)にかけて最初に吹く、南方からの強い風のこと。

若干、定義が曖昧なような気もするが、その中でも気象庁が「これだ!」と思うものを特定して「春一番」として発表されることになっている。

まあ、ざっくりと言えば「2月から3月にかけて吹く強い最初の南風」といったところでしょうか。

こんなニュースで笑顔で報道される「春一番」だが、そんなに楽しい話だけではなくて。

気象的な話をしてから語りたいと思います。

1.気象的に「なぜ春一番が吹くのか」

2.「春一番」は良いことだけではない

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1.気象的に「なぜ春一番が吹くのか」

日本に冬の寒さをもたらしている原因ともなっているのがシベリア方面にできる高気圧。

冬の間、極寒のシベリアから日本へとどんどんと寒い風を送っています。

いわゆる季節風というやつですね。

しかしその寒さの元凶ともいえる高気圧も、春になるとその勢力は弱まっていく。

するとその隙をついて(?)低気圧が日本海側に入り込んで発達。

その結果、南から一気に暖かい風が日本側に流れ込んでくることに。

そう、これが「春一番」です。

正式な気象用語となったのは意外には歴史が浅い1987年のこと。

よって「春一番」が報道されるようになったのもこの時から。

というか、毎年こういう風が吹くと最初に気づいた人は偉いなあ。

付け加えておくと、気象用語になったのが、1987年というだけで、言葉自体は前から使われていた。

昔のアイドルだったキャンディーズが「春一番」という曲を1976年に出していて(50万枚の大ヒット!)その歌詞の中でも「もうすぐ春ですね」と歌っていることからもわかる。

ちなみに辞書で「春一番」を引いてみたら”first spring storm”だって。

うーむ、違う気がする。

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2.「春一番」は良いことだけではない

春一番による被害の報告も実は多い。

大きなものでいくと1859年2月13日、長崎県壱岐で漁を行っていた漁師達が春一番に吹かれ、53人もの漁師が海に落ちて見つからなかったという海難事故が。

さらに1978年には荒川鉄道を走行中に電車が横転し、多数の重傷者が出たのだとか。

ちなみに勘違いされがちだが、

春一番が吹いた→ これから春が到来

というのは間違いで、あくまで冬の高気圧が弱まったという1つのしるしであり、実際には春一番が吹いた翌日はまた冬型の天気に戻り、冷たい風が吹き荒れるということがよくある。

しかも南風が吹きにくいとされている北海道、東北、沖縄ではニュースで春一番が報道されることはほとんどないのだとか。

2016年は暖冬と言われながら九州で記録的な大雪が降るなど、被害を受けた地域も多かった。

さて今年の春一番はいつ吹くことやら…。

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