マスク依存症なる人が増えているという。
花粉症の時期になれば街中でも多くの人がマスクを着用するし、受験がシーズンが近づけば受験生は予防の意味でマスクをするので、多くの人がマスクを着用していると言える。
その中で、マスク依存症という症状が増えているのだとか。
マスク依存症=マスクをつけている状態が通常となり、伊達メガネならぬ伊達マスクをしている状態のことだ。
心理的にも物理的にもマスクがないとダメ、落ち着かない状態だという。
【原因】
・原因は人によってそれぞれだが、主な原因と言われているのが
①顔の部分的なコンプレックスを隠したい
②他人との会話が苦手、または避けたいことからその部分を心理的に隠す
①の状態が進むと「醜形(しゅうけい)恐怖症」と呼ばれる状態に。いわゆる「自分は醜い」と思いこんでしまい、それを隠したくなるのだ。ちなみにデータでは醜形恐怖症のほとんどの人が、どちらかと言えば美男美女の類に入るのだとか。
私の友人にも一人いるが、とてもきれいな人だ。
だが、周りの人が「きれいじゃん」「隠す必要なんかない」などと言っても、その声は届くどころかますます覆いたくなるようなケースも多い。
②は社交不安障害にもつながる。マスクを着用することで「人からの視線を少し軽減(直視されていないように感じる)できる気がする」「自分がどういうふうに見られているかを意識しなくてすむ」という効果を得られると信じているのだ。
彼らにとってはマスクはいわば「お守り」みたいなもの。
直接的な効果はわからなくてもあるだけで「ある程度の安心感」が得ることができる。
ちなみに欧米ではマスクをする習慣がない為、マスクをするのはお医者さんくらいのもの。
実際、花粉症のシーズンに来日して「なんて医者が多い国なんだ」と驚いた人もいるのだとか(笑)
私は日本でアメリカ人と住んでいたことがあるが、ある日、100円ショップに行くというので「ついでにマスクを買ってきて!」と頼んだところ、パーティー用のマスクを買ってこられたことがある。
まあ文化の違いと言えばそれまでだが(^^;)
【治療法】
マスク依存症を治すには「エクスポージャー法(exposure therapy)」が有効とされている。
これは日本語に訳すと「疑似体験療法」。
あえて不安な場面を想像したり、実際に直面し続けることで、その不安感を克服していくという方法。
例えば実際に人前にマスクなしで出る、(できなければマスク無しで出ていくイメージトレーニングをするところから)、相手の顔をしっかりと見て話すなど。
この方法は不安症の類でよく使われる療法だが、マスク依存症にも効果があるとされている。
最初は周りの人に支えとなってくれる人がいた方がいいだろうが、実際に「治る」とされており、治った人もいるようなので試してみる価値はありそうだ。